「映画監督・鎌仲ひとみさん 新作撮影が佳境」と北陸中日新聞に大きく掲載されました!(2014・3・1)

2014.03.04

1014103_584222968327827_1452703950_n3月1日北陸中日新聞文化面に掲載されました!
2月22日石川上映会は満員御礼!「原発の、その先」を生きている『私』たち
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石川県での上映会講演会の翌日、北陸中日新聞の文化部の松岡記者にインタビューしていただきました。
【映画】映画監督・鎌仲ひとみさん 新作撮影が佳境 フクシマ後の母子の姿追う(3月1日北陸中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/bunka/list/201403/CK2014030102000192.html
健康被害救済 チェルノブイリに学ぶべき
富山県氷見市出身のドキュメンタリー映画監督・鎌仲ひとみさんの新作「小さき声のカノン-選択する人々」(仮題)の撮影が佳境に入っている。チェルノブイリ原発事故から二十七年を経て、健康被害が世代を超えて残るベラルーシを取材。東京電力福島第一原発事故で自主避難した母子、福島に残った母子のそれぞれが抱える不安や悩みを重ねる。二年に及ぶ取材を通じ「子どもたちの健康を考えれば、チェルノブイリに学ぶべきだ」と指摘する。(松岡等)
事故から三年。「福島県の調査で甲状腺がんの疑いがある子どもが七十五人と発表された。放射線量は落ちていないし、自主避難を含めて子どもとともに避難している母親は、帰るに帰れないのが現状。そうした中で国や県の『帰還政策』は強まっている。避難先の自治体の支援がなくなったり、周囲の無理解や生活苦など悩みは大きい。『原発事故の風化現象』というべきことが進んでいる」と現状を語る。
一方、残った母親の悩みも深まっている。「子が放射能を浴びていることは分かっているし、給食は地産地消。一方で、離れたくても離れられない事情があるのに『避難しないなんて、子を愛していないのか』と非難もされる。本当に、やっかいな状況。原発事故による母親たちの苦しみが解決されたのか-を描こうと思っている」と。
二年以上取材している二本松市で、甲状腺がんだけではない健康被害の話を聞く。「放射能の影響ではないといわれ、それを口にすることもできず、出口がない。撮っていて、つらいときもある」
前作「内部被ばくを生き抜く」では、医療情報として被ばくをどうとらえるかをテーマにした。しかし「危険か、安全かという議論では泥沼化する。今回は人間の選択として、グレーである低線量被ばくをどうとらえているのかの最前線を撮っている」という。
健康被害が出ているベラルーシでは被ばく二世にも健康への影響が指摘されている。ただ、公式にチェルノブイリ事故の影響は認めてなくても、医師の仲間内では放射能の影響だという認識があるという。子どもたちが一時的に汚染地域を離れることができる国立の保養所が五十カ所以上あり、さまざまなプログラムも組まれている。
「健康被害があっても、国は公式に原発の影響といえない。それでも医者や科学者が指摘すれば、患者を救済するという二重基準でやっている。そこに日本も学ぶべきことは多い」
映画制作途中にも、取材した内容を「カマレポ」と題した映像にし、小さな集会でビデオ上映する「カマレポ・カフェ」を全国で開催する。新作公開を予定する秋までに三百回を目指している。
「東京ではなく地方でやることに意味がある。地域も自分たちなりの持続可能性を問われている。母たちが子育てにこもるのではなく、ちょっと外へ出て、社会で言葉を発してもらいたいという思いもある」
石川県野々市市で開かれた二月二十二日の集会では、福島にとどまらず、関東など各地からの避難者と語り合った。「避難者同士がつながり、何か始めたいという声もあった。そういう輪が各地で広がってほしい」と話した。