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東京新聞 「言いたい放談」 2014年3月12日(水) 朝刊放送芸能面に 掲載
お母さん革命は止まらない
「小さき声のカノン —選択する人々 」と題した映画の撮影を始めてすでに2年半が経った。取材していく中で、その時に応じて、なるべく早く多くの人たちとシェアしたいと感じる情報がある。それを「カマレポ」と題し、短い映像をネット配信することにした。
するとその映像を上映したいというリクエストがあった。福島原発事故以降、子どもを守るためにがんばってきたお母さんたちだ。お母さんたちはこの3年間必死に勉強し対策をたててきた。ところが事故に関する様々な問題が解決していないのに世間の関心が失われていこうとしている。
そんな事態を憂慮するお母さんたちが「カマレポ」を上映する集まりを「カマレポカフェ」と命名し、先日、その第一回キックオフ会が都内で開催された。遠くは北海道、石川県、三重県からもお母さんたちが参加してくれた。
彼女たちは無関心な人々に、子どもたちの被ばく問題をどう伝えたらいいのか、そのためにいかに苦労しているか語ってくれた。「被ばくは大したことがなかった」「心配する必要はない」という大きな声に抗って、お母さんたちはあきらめず、しつこく、子どもたちを守る活動を継続していこうとしている。この「お母さん革命」は目立たないけれど、地下水のようにしみ込み、これから人々の意識を根底から変革していく力となるだろう、そう強く感じている。
(映像作家)
次回掲載は3月26日です。
どうぞお楽しみに。