================
東京新聞 「言いたい放談」 2013年11月20日(水) 朝刊放送芸能面 に掲載
小泉純一郎元首相が「即原発ゼロがいい」と真っ向から安倍政権に切り込んでいる。おや、首相の時は原発イケイケどんどんだったし、カザフスタンにウランの買い付けに行ったりしていたのに、いきなりどうしたんだろう。特に、使用済み核燃料の最終処分が不可能だからこれ以上増やしてはいけない、と、至極まっとうなことをおっしゃっている。
でも核燃料サイクルの計画が破綻していることはもう二十年も前から分かっていたこと。何を今更と思ったら、なんと「知らなかった」そうだ。元首相は、国の原子力政策の内実を知らなかったとおっしゃる。私も、核をめぐるドキュメンタリー映画をつくりながら、国会議員の大半は原発の持続不可能性を理解していないと感じていたが、やっぱりそうだったのか…。
そして今、秘密保護法案が国会で審議されている。ひょっとしたら国会議員の先生方、良く理解していらっしゃらないのでは?この法案が成立したら、日本の良識や民主主義やジャーナリズムがどれだけ打撃を受け、世界ランクで低い評価しか受けてこなかった「情報公開」が一層後退し、その火の粉が自分たちに降り掛かってくることを…。後で知らなかったとは言わないでくださいよ。むろんこれは私達メディアの仕事をする人にとっても同じこと。もちろん私は断固反対です。
(映像作家)
次回掲載は12月4日です。
どうぞお楽しみに。