ぶんぶん通信

2013.07.22
ぶんぶん通信

持続可能な未来を求めて
映画『ミツバチの羽音と地球の回転』
撮影現場からのレポート

ぶんぶん通信とは、2010年に公開された映画『ミツバチの羽音と地球の回転』の製作過程を公開したビデオレターです。山口県祝島とスウェーデンでの撮影を中心に、全350時間にも及ぶ記録の一部を旅する視線でご覧下さい。映画では観られない貴重映像・インタビューを多数収録。映画には納まりきらなかった様々なシーンをビデオレターとして「ぶんぶん通信no.1~no.3」に収録。また、3.11後のトークショーにて語られたゲストと鎌仲監督とのインタビューを加え、「ぶんぶん通信DVD4枚セット」として皆様にお届けします。


◆ぶんぶん通信 no.1
(2009年/70分/カラー)

「地域を守る人々の意志」


千年続く祭り「神舞」が継承される祝島。島の真正面に計画されている上関原発。島の人々は27年間反対を続けて来た。しかし、計画は具体的に 迫ってきた。自然と共に生きる人々と地域の暮らしはどうなるのか?

一方、スウェーデンでは電力の自由化が進み、自然エネルギーだけを選択できる仕組みもとられている。スウェーデンでは持続可能な社会をつくる 市民の取り組みがすでに始まっている。そこでは環境NGO「ナチュラル・ステップ」が提唱する持続可能になるためのシステム条件が重要な役割を果たしている。

監督:鎌仲ひとみ
プロデューサー:小泉修吉

撮影:岩田まき子
録音:河崎宏一
助監督:南田美紅

制作スタッフ:冨田貴史、村井祥平


◆ぶんぶん通信 no.2
(2009年/63分/カラー)

「いっしょに生きる道」


原発予定地、田ノ浦を守りたいと「長島の自然を守る会」が調査を行う。

田ノ浦は生物多様性のホットスポット。貴重でかけがえのない場所、破壊し たら二度と取り戻すことはできない環境だと海洋生物の専門家たちは主張する。絶滅が危惧される数々の生き物たちがこの生態系を支え、また支え られている。スナメリ、カンムリウミスズメ、カサシャミセンなど、これらの生き物が原告となって自然の権利訴訟が始まった。一方、祝島の外か らサーファーやシーカヤッカーたちが集まり、ユニークな行動を起こす。

監督:鎌仲ひとみ
プロデューサー:小泉修吉
撮影:岩田まき子、山本健二
録音:河崎宏一、服部卓爾
助監督:南田美紅
制作スタッフ:冨田貴史、村井祥平、小原美由紀


◆ぶんぶん通信 no.3
(2009年/52分/カラー)

「新しい潮流の始まり」


2009年9月10日より祝島の人々は中国電力の田ノ浦埋め立て着工を阻止する行動を開始しました。 原発建設のための工事区域を示すブイを運びだそうとする中国電力の巨大な作業台船、スピーカーで呼びかける中国電力の社員。
これに向き合って身体を張って命の海を守る闘いが田名埠頭を舞台に50日も継続しました。闘いの様子はこれまでにない速度と広がりで様々な人々を巻き込むようになりました。祝島の人々の闘いが人ごとではなく、自分たちに連なっている問題なのだという気づきが広がってきたのです。若いシーカヤッカーが漁船と一緒になり、地上では祝島のおばちゃんたちと若い母親や学生たちが共に行動するように変わっていったのです。それに対比して中国電力はだまし討ちのような強引なやり方で作業を進めようとします。しかし、もう流れは止まりません。新しい潮流の始まりです。

監督:鎌仲ひとみ
プロデューサー:小泉修吉
撮影:岩田まき子
録音:河崎宏一
助監督:豊里洋 
制作スタッフ:冨田貴史、村井祥平、小原美由紀


これはいわば映画の卵のようなものです。映画として完成する前に映画の中身をばらしています。これは他の監督さんたちはやらない手法です。なぜ、こんなことをするのか?それはなるべくリアルタイムに起きていることを知ってほしい、マスコミが伝えないので通信を観た観客がミツバチの羽音は英語で口コミという意味があります。一人ひとりは小さな存在でも共振しあうことで大きなうねりとなって社会を変える力になると思っています。

《鎌仲監督メッセージより抜粋》


監督 鎌仲ひとみ 
製作・著作 グループ現代