Shing02 「はだしのゲン」英訳版をLAのJapan Foundation library に寄贈

2013.11.18

石川県金沢市在住のstaff、コハラです。10年前、「ヒバクシャ 世界の終りに」を金沢で自主上映したのが鎌仲監督との出逢いでした。
先日、「ミツバチの羽音と地球の回転」で音楽を担当していただいた Shing02さんのお誕生日に 彼のウォールを見ると   「ん??!」
http://p.tl/0a9b
「donated “Barefoot Gen” (Vol. 1-10) to Japan Foundation library in LA! 託されていた「はだしのゲン」英語版 (全10巻) を寄贈しました。」 という記事が載っていました。
gen shing02 2
・            ・・・写真は shing02 FBより
「ミツバチの羽音と地球の回転」をシネモンドで初上映する機会に合わせて、アメリカ在住のShing02さんを石川県金沢市お呼びする機会を得たのは、
2010年9月のこと。
私たちは満を持して「ぶんぶん石川」というグループをつくって、映画の公開と、Shing02のライブを盛り上げようと集まりました。それはすごい豪華メンバー(自画自賛)で、チラシもたくさんはけ、とてもいい雰囲気でした。
ところがうっかりしたことに、前売り券の数を読むことをしていなかったのです!  500人の目標を掲げてふたを開けてみると一日目のお客さんは・・・12人。
期間は二週間、一日一回。『このままでは金沢は失敗・・・』という状況から、「ぶんぶん石川」メンバーが本気を出して声をかけチケットを売って、二週間後、最終日はなんと札止めをすると言う事態になり、最終回はぴったり定員の90名満席、観客633人を動員しました。(懐かしいですね・・。丸3年前のことです)
 
映画の上映に合わせて金沢でライブを開催してくれたShing02さん。 鎌仲監督の対談記事で、シンゴさんが「はだしのゲン」を小学校の図書館で読んでから核や原爆に興味を持った、という記事があり、「ぶんぶん石川」有志は、 金沢の「プロジェクト・ゲン」の浅妻南海江さんや、二口芳彗子さんも翻訳に関わられた「はだしのゲン」の英語版全10巻をアメリカ在住のシンゴさんに贈ろう、と決めたのです。
その時の投稿と記事がミツバチ@staffブログに残っていました。ご紹介したいと思います。
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Shing02、富山~石川へ 「はだしのゲン」英訳版を贈呈・石川テレビに監督登場。
http://888earth.net/staffblog/2010/09/shing02-3.html
「Shing02×ミツバチ」
Shing02さんが富山、石川へ。
劇場公開中の金沢・シネモンド前で、シンゴさんが小学校の図書館で読んで、核や原爆に関心を持つきっかけとなったという「はだしのゲン」英訳版全10巻を、映画の上映を応援する市民でつくった「ぶんぶん石川」くまの実行委員長より、贈呈しました。
ぶんぶん石川  banbi.haisai.me/888/
はだしのゲン』米を駆けろ ロス在住、邦人アーティストへ 英訳本贈る  (2010年9月28日 北陸中日新聞石川版 )
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20100928/CK2010092802000156.html
シンゴさん はだしのゲン米を駆けろ
金沢の市民団体 原爆の悲劇を伝えて
原発に頼る電力供給に疑問を投げ掛ける金沢市の市民団体「ぶんぶん石川」が二十七日、同市香林坊の映画館で、米国・ロサンゼルスに住む日本人アーティストshing02(本名・安念真吾)さんに、中沢啓治さんの漫画「はだしのゲン」英訳本を贈った。核廃絶を訴える市民グループのメンバーも駆け付け、日本から米国へ、悲惨な原爆の事実を伝える懸け橋を目指し、草の根の交流が広がった。(白井春菜)
約二十人が見守る中、ぶんぶん石川の熊野盛夫実行委員長(40)が全十巻をshing02さんに手渡した。翻訳グループ「プロジェクト・ゲン」の浅妻南海江代表(68)=同市=や、チェルノブイリ原発事故の被害を受けたウクライナの小学校と交流している元小学校教諭の東滋野さん(75)=同市=も参加し交流を深めた。
浅妻さんは「英語版は米国だけでなく世界中で読んでもらえる。世界中を飛び回るゲンをかわいがってほしい」と呼び掛けた。幼いころからアフリカ・タンザニアなど海外で暮らしてきたshing02さんは「日本を離れ、戦争や原爆の違う側面を知った。知ることとともに、身近な人に伝えることが大切。まずは友人に読ませたい」と意気込んだ。
shing02さんは現在公開中の、原発建設計画に揺れる山口県の祝島を描いた映画「ミツバチの羽音と地球の回転」で音楽を担当。上映を企画したぶんぶん石川のメンバー小原美由紀さん(45)が声を掛け、shing02さんへの英訳本の贈呈と、金沢市内で活動する各グループとの交流が実現した。
shing02さんは青森県の六ケ所村核燃料再処理施設の放射能汚染の危険性を訴える「STOP ROKKASHO」プロジェクトにも参加している。
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FBの写真のシンゴさんは、しっかりと当時の北陸中日新聞の記事を掲げてくださっています(感涙(;_:))
 
「ミツバチの羽音と地球の回転」上映中のシネモンド前での、英語版「はだしのゲン」贈呈となりましたが、
この様子はこの日、北陸中日新聞、毎日新聞だけでなく、
なんと、石川テレビでも放送されました! 内容も素晴らしいものでした。
「・・Shing02さんは、主題歌を作る際、映画の舞台となった島を訪れたと言うことで、
『原発を善・悪のひとことで片付けるのではなく、実際に建設予定地を見て体験したことをメッセージとして発信したかった』、と歌に込めた思いを語りました。 出迎えた市民グループのメンバーは、原爆の悲惨さを伝えた漫画、『はだしのゲン』の英語版を贈り、ともに核廃絶について訴え続けていくことを誓い合っていました。  」
~石川テレビ県内ニュースより~
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あれから3年を経て、Shing02さんがさらにたくさんの方々に読んでもらおうと、
ロサンゼルスの Japan Foundation library に「はだしのゲン英語版」10巻を寄贈されたのです。
思えば、この3年間の間には、いろいろなことがありました。
2011年3月11日の東日本大震災、それに伴う福島原発事故。
2012年12月19日には「はだしのゲン」作者の中沢啓治さんが逝去されました。ご自身の小学校一年生の時の被爆体験をもとに漫画を描かれた中沢さんは、「人類にとって最高の宝は平和」「はだしのゲンは私の遺書。私が伝えたいことはすべてあの中に込めた。これからも読み継がれていってほしい」という言葉を残されました。
そして、今年の夏、記憶にも新しいのは松江市教育委員会が全小中学校に「はだしのゲン」の閲覧制限を求めていたことが報道されたこと。これは瞬く間に大きなニュースとなり、「子どもにはだしのゲンを読ませるべきかどうか」 国内外で大論争が起きました。結果、8月28日に市教育委員会は臨時の校長会で閲覧制限を撤回しました。
この一連の報道で、逆に関心を持ち、書店では「はだしのゲン」を求める人が激増し、増刷が相次いだという報道もありました。
2006年にすでに「僕と核」という研究レポートをWEB上に公開していたShing02さんは、
また新たな専門的な研究を重ね、
その成果を「僕と核2011」
http://www.e22.com/atom2/index_2011.htm
「僕と核2012」として次々と発表してこられました。
http://www.e22.com/atom2/links.htm
ミュージシャンの方が書かれたの? と驚くくらい 素晴らしく専門的価値のある、ビジュアルも洗練された充実のレポートですので、未読の方はぜひともご覧ください。
その一部は2012年春に完成と同時に販売、上映会を開始した鎌仲ひとみDVD作品の「内部被ばくを生き抜く」にも登場しています。
このシーンですよ、覚えていらっしゃいますか?
http://www.e22.com/atom2/page05.htm
もちろん、この作品にも楽曲を提供してくださっています。

・・後編に続きます!
(staff   コハラ)