辰巳芳子さんは食を通して日本の自立を考え、自分たちが食べるものは自国で賄う必要があると考えてきました。この映画は、農と食を通して、人の命の尊厳を改めて考え直す映像の記録です。
芳子は食を通して日本の自立を考え、自分たちが食べるものは自国で賄う必要があると考えてきた。地球規模の異常気象や人口問題などで、食料輸入が困難になる時代が迫っている。そのため、モノを大量消費する西洋型の文明から転換し、「この国が持つもの、持たざるもの」を識別し、分際をわきまえることを説く。
辰巳は南北に長く四季と多様な自然に恵まれた日本列島の姿に希望を持つ。その象徴が農の営み(林業、漁業、畜産業を含め)への深い理解である。農が食を与え、その食が人の命を養う。伝統や文化の象徴である日本食に、今世界の注目が集まっている。しかし、その原点を私たちは忘れていないか。
辰巳は日本人の底が抜けたと考える。世代を超えて、共同体や家庭で長い歴史の中で伝えられてきた食の知恵は、日本人が日本人であるために未来へ伝える重要な遺産である。
この映画は、農と食を通して、人の命の尊厳を改めて考え直す映像記録とする。
監督 河邑厚徳
総合プロデューサー 小泉修吉
プロデューサー 矢内真由美 鈴木正義
脚本 河邑厚徳
撮影 本田茂照明 高坂俊秀
音楽 吉田潔
音楽監督 尾上政幸
ナレーション 谷原章介
朗読 草笛光子